大腸ポリープ
どんな病気?
大腸ポリープとは、大腸の粘膜の一部が内腔に隆起した病変をいいます。
大腸ポリープは、腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープにわけられ、腫瘍性ポリープはがんに分類され、非腫瘍性ポリープは過形成ポリープ、炎症性ポリープ、過誤腫性ポリープに分類されます。
腺腫は大きくなると、がん化するものをあります。
大腸がんは、腺腫が大きくなり悪性化するパターンと腺腫の除隊を経ることなく、がんとして発生するパターンがあるといわれています。
ポリープが出来る原因は、主に遺伝子の異常であると考えられています。年齢や肉食傾向、高カロリーな食事、肥満、喫煙、過度な飲酒などの要因が原因で遺伝子に変化がおこり、ポリープが発生しやすくなると言われています。
家族性腺腫性ポリポーシスは、大腸に数百~数万のポリープが出来る病気で、遺伝により発症することがわかっています。 10歳頃からポリープができ始め、年齢が上がるにつれがん化する確率が高くなります。治療しないと、一生涯でほぼ100%がんになるといわれています。
どんな症状?
症状は、ポリープが小さい時には、ほとんどありません
ポリープが大きくなったり、肛門の近くに発生すると、血便や粘液の混じった便がでるといった症状が認めることがあります。大きさによっては、腹痛や下痢、便が出にくい、お腹が張るなどの症状がみられることもありますが、大腸がんでも同じような症状がみられることもあります。
どんな検査?
大腸ポリープの検査は、便鮮血検査、大腸カメラ、注腸検査などがあります。
便鮮血検査は、検診や人間ドックなどで用いられる検査で、2日間の便を調べ、1日でも血液が混じっていれば、精密な検査のため大腸カメラを行います。
注腸検査は、肛門から大腸に造影剤と空気を入れエックス線検撮影を行う検査です。
異常が認められれば、精密な検査のため大腸カメラを行うこともあります。
大腸カメラは、肛門からカメラのついた管をいれて行う検査です。ポリープを認めれば、大きさや色、表面の構造などを観察し、必要と判断した場合はその場で切除を行うことができます。がんを認めれば、生検(組織の一部を採取すること)を行い顕微鏡で詳しく検査します。
どんな治療をするの?
大腸内視鏡を用いて大腸ポリープや初期の早期大腸癌を切除することを内視鏡的大腸ポリープ切除術・内視鏡的大腸粘膜切除術といいます。
隆起の大きい形のポリープは、根本をスネアという円形の針金を締めつけながら高周波電流を通して焼き切ったり、そのまま締めつけて切ったり、鉗子という物を掴んだり牽引したりするのに使用する器具でポリープを切ったりします。(ポリープ切除術)
隆起の小さい形のポリープは、切除前に粘膜内に生理食塩水などを注射して、病変部を隆起させた後にスネアで病変部を絞めつけながら切ったり、焼き切ったりします。
また病変部が広い場合は分割して切除することもあります。
ポリープの形や大きさによって判断し、これらの方法を組み合わせて切除します。