胃ポリープとは、胃の粘膜上皮から内腔に隆起した病変のことをいいます。
ポリープは、過形成ポリープ、胃底腺ポリープ、腺腫などがあります。

過形成ポリープは、大きさ10㎜以下のものが多いですが、ときに20㎜以上になるものもあります。
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染した萎縮性胃炎を背景としていることが多く、まれにがん化することがあるため、1年に1回程度の経過観察が必要です。
また、ポリープから出血し、貧血になることもあります。

胃底腺ポリープは、大きさ5㎜程度で多発することが多く、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染していない萎縮のない胃粘膜に発生します。
症状はとくになく、がん化の可能性は少ないポリープです。

胃腺腫は、平坦な隆起をするやや白っぽい色調のポリープです。高齢者に多く、胃の粘膜がかなり委縮し腸上皮化生（胃の粘膜が腸の上皮に置き換わる現象）のある胃でみられることが多いとされています。多くは良性ですが、がん化のリスクが高いと考えられています。

胃ポリープには、特に症状はなく、検診の胃バリウム検査や内視鏡検査で偶然みつかる場合が多いです。まれに、大きな過形成ポリープでは、出血を起こし貧血や下血を認めることもあります。

どんな治療をするの？

胃ポリープの治療は、過形成ポリープでは大きさ20㎜以上のものや増大傾向のものは、がん化が疑われるため切除治療が行われます。
胃底腺ポリープは、原則治療の必要はありません。
胃腺腫では大きさ20㎜以上のものや、がん化している可能性が否定できないものは切除治療が行われます。