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胃潰瘍

どんな病気?

胃潰瘍とは、胃の壁がある深さまで傷ついている状態です。胃の壁は粘膜、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜の5層からなっており、粘膜が傷ついている状態をびらんと言います。
粘膜下層より深く傷ついているものを潰瘍と言います。

なぜ起きるの?

胃壁は攻撃因子である胃液(胃酸やペプシン)から胃粘液を分泌(防御因子)し、粘膜を保護しています。胃にヘリコバクター・ピロリ菌感染があったり、痛み止め(非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDs)の常用では、防御因子が弱まり攻撃因子が優位になることで、胃粘膜が傷つき潰瘍になります。
その他に、ストレスや刺激物の過剰摂取、喫煙、アルコール、コーヒーなども発症に影響すると考えられています。

どんな症状がでるの?

心窩部(みぞおち)の痛み、吐き気、食欲不振などが起こります。痛みは、個人差があり痛みが強いほど潰瘍が悪いというわけではありません。
胃潰瘍の多くは食後に痛みが強くなります。
胃潰瘍で胃壁の血管が破れて出血すると、吐血をしたり、胃酸によって血液は黒色に変化し黒色便(タール便)がでます。出血が進むと貧血になり、動悸、息切れ、ふらつきが起こります。

治療しないとどなるの?

胃潰瘍が深くなると、胃に穴があく(穿孔)ことがあります。
穿孔すると胃内容物が腹腔内に漏れ、腹膜炎を起こして強烈な腹痛を生じ、緊急手術になることもあります。

当院の診断・治療

胃潰瘍は潰瘍を伴う胃がんとの鑑別が必要であり、胃カメラを行います。
胃カメラで胃潰瘍の周りの組織を採り(生検)、鑑別を行います。採血で貧血を検査し、ヘリコバクター・ピロリの感染も同時に検査します。

治療は、胃酸の分泌を抑える薬(攻撃因子を減らす)や胃粘膜を保護する薬(防御因子を増やす)を併用します。
原因となっている鎮痛剤(非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDs)があれば、中止したり変更したりします。

ヘリコバクター・ピロリの感染を認めた場合は、潰瘍が改善したところで除菌を行います。
貧血が強く、胃潰瘍が深い場合は、絶食による点滴での治療が必要となる場合があり、入院による治療も考え、施設の整った病院へ紹介することもあります。

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